難関中学算数過去入試問題:灘中学
「余りの時計~灘中学入試問題を攻略する3つの脳細胞によせて~」より
[問題]
1個66円のかきと1個35円のみかんを合わせて3890円分買った。
このとき、かきは[①]個、みかんは[②]個である。
-灘中学 過去入試問題より-
[脳細胞1]
かき 66円・・・66=2×3×11
みかん 35円・・・35=5×7
僕は、まず与えられた数字を分解してやることから始めることが多い。
なにか秘密の関係がひそんでいるのではないかと・・。
結果的に、この問題では 66円と 35円がまったく無関係な数字で成り立っていることが分かっただけで僕は結局利用しないままで終ってしまったけれどね。
これを言いかえれば、最小公倍数は 66×35ということだね。
違ったアプローチなら使うところが出てくるかもしれない。
かきが□個、みかんが△個とすると、
66×□+35×△=3890・・・① になるようにせよということだね。
①をながめていると、かき1個は66円なのに、 支払ったお金に1円玉が含まれていないことがわかる。
66円のかきは5個買えば、1円玉を払う必要はない。
10個でも、15個でも1円玉を払う必要はない・・・。
そうだ、5の倍数個買えば1円玉は払わなくて済むんだ!
66円のかきは、5の倍数個買ったとしか考えることはできない・・・[結論1]
・・・
このときに、子どもの反応を観察しながら指導できる指導者はどれほどいるのでしょうか?
大人にとっては実にしょうむない結論であっても、発見済みの子にはすぐに導ける結論であっても、
普通の多くの子どもにとっては、数を違う角度から見て新しいビューを発見する瞬間になります。
この時に、ハッとした顔をしたり目つきが変わらないようだと、多分「ふーん」って思ってるだけ。
心底から発見したとは言えない段階です。
そのときに、
かきが1個62円だったら・・・
かきが1個65円だったら・・・
かきが1個67円だったら・・・
かきが1個60円だったら・・・
そういう突っ込みをしながら、数の個性の差を実感させながら指導していかないと、
同じような問題が出てきても、やっぱり思いつかないことになってしまいます。
割り算の余り ⇔ n進法 ⇔ (正確には13進法でも12進法でもないけれど)時計の考え方
そんなところに、数の性質を観察するカメラを設置してみました。
・・・